DATE: CATEGORY:スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| BLOG TOP |



DATE: CATEGORY:タンジツ
私は化け猫の復活を祝すパーティとやらに出席するため、かの猫長の脳内に訪れていた。
パーティは脳内で行われている仮想的なものだが、想像さえすればこちらも自分の脳内で同じくパーティを繰り広げられる。
言語を媒体にすれば祝杯をかわすことも可能だろう。

偶然だろうか、またしてもヒロインと出会ってしまった。
「おひさしぶりです」
私は失礼を承知で挨拶を返すこともせず彼女に批判を浴びせた。
一週間ぶりに出会う相手に久しぶりと言う挨拶は不適当であろうという内容を、より簡潔に表現して見たのだ。
「またあなたか」
表情の微妙なニュアンスから心底嫌そうな心情が垣間見えたのなら私のコミュニケーションスキルもいよいよもって高まってきたということなのであろうが、しかし彼女の鉄面皮は今日も今日とてアナトリア半島の原住民族が操るに至った超硬度を守り続けるのであった。にこりともしやがらないということであるのだが、しかしリアクションがないとわりかし悲しいというこの事実は私が彼女に対して嬉しはずかし思春期ドリームバルーンを膨らませているという証左であろうか。いや、そんなことがあろうはずもない。なにしろこれである。
「しかし盛況ですね。焼酎はどこですか」
「いきなり酒を探し出すその心意気は別に珍しいことでもないのだけれど、その甘菓子を仕舞ってからにしなさい」
女性の右腕にわしづかみにされたそれはうるち米の粉を湯で捏ねて蒸し、砂糖を加えて練った餅状の米菓である。
一般にすあまと呼ばれる。
素甘と表記される。
字義通り、甘い。
伝統的な焼酎は米酒であるため合うと思えば合うのかもしれないが、しかしいかにもミスマッチな取り合わせだ。
わたしの目の前の彼女はすあまが大の好物なのである。
ぱんだ好きと魔法少女好きが既に通った道であった。
二番煎じどころか三番煎じである。
個性の発露にしてはいやに弱い。
なにがしたいのだろう、といつも思っている。

彼女は自分のパーティ会場をひとしきり見回すと、おもむろに私の会場から一瓶の酒をつかんだ。あ、こらやめておきなさい。最初はビールあたりで慣らしておかないと悪酔いするから!

彼女は私の忠告などどこ吹く風、すあまを口の中に放ると、その上から瓶を逆さまにして一気飲みを始めるのだった。
ああもう、このトルコ娘は。
急性アルコール中毒で死ぬと思うのだが。


彼女はヒロインである。
自分の運命たるヒーローを待っているのだという。


宴もたけなわとなり、私は泥酔する彼女を放ってホテルに帰還した。
最近、料理をしていないことに気がついた。

| BLOG TOP |



DATE: CATEGORY:記述
アルセスは他の命を奪うことができないという呪いをかけられている。
| BLOG TOP |



DATE: CATEGORY:記述
Cu1-21フィスナは音を聴覚以外の感覚で感じ取ることができる。
共感覚と呼ばれるこれにより、彼女は鐘の音を聞いたとき薄めた砂糖のような薄い甘味と乾燥した肌のようなざらついた感触と鼻をつくミントの刺激臭、視界の端にちらつく白光を感じるのだという。

波長・振幅によってこの感覚は異なるが、彼女はその感覚を常態としているため、通常人とは異なる視点・視野をもって行動する。
そのため、彼女の立ち居振舞いは他者から見ると奇矯に見えることが多い。
| BLOG TOP |



DATE: CATEGORY:記述
私は生涯で三度涙を流した。

一度目は両親を失った時。
二度目は親友を失った時。
三度目は恋人を失った時。

私は生涯で三度笑った。

一度目は両親の腕に抱かれた時。
二度目は親友と語らった時。
三度目は恋人を刺した時。

私は生涯で三度死んだ。

一度目は両親に首を折られた時。
二度目は親友に恋人を奪われた時。
三度目は親友に刺された時。


私は生涯で三度蘇った。

一度目は両親が自殺した時。
二度目は親友と恋人が愛し合った時。
三度目は親友が崖から飛び降りた時。


私は生涯でただ一度夢を見た。

暗い櫃の中で、羊水に浸かっている夢だ。
| BLOG TOP |



DATE: CATEGORY:SS
「冗談にしちゃ笑えないし、本気だったら許せない」
別れようと告げた時の彼女の反応が、それだった。
むしろ僕が冗談だと笑いたい。目の前の彼女は切れ長の目と意志の強そうな長い眉をきりりと吊り上げて、僕の顔を睨みつけていた。
けれど、いくら彼女が凄んだとて、僕の意思は変わらない。変えられはしない。
「本気だよ」
はっきりと告げてやると、彼女は、パニエリモ=ハイクローズは怯んだような表情をした。
少しだけ、少しだけ心が痛んだが、そんなことには頓着しない。僕は、してはいけないのだ。
「もう一度、言うよ。
いいかパニエリモ。僕は君とはもう付き合えない。君は今まで必死になって隠してきたようだけれど、人間の目は容易に誤魔化されない。 
僕はね、魔女なんかとは付き合えないんだよ」
言い終えるや否や、僕の頬に衝撃が走った。





*【剥離】

続きにゃ♪ »

| BLOG TOP |




copyright © あお空。  all rights reserved.Powered by FC2ブログ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。