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真冬の風が吹き付ける。
首元から顎の先までを貫く冷気。正面に見える街道は寒々しく、閑散とした佇まいだ。
視界が小刻みに揺れるのは、鞍が雛の背に合っていない所為だろう。馬や牛などと違い、乗獣として遺伝子の根底から作り上げられた雛の移動は本来静かで振動も少ない。
少女は、銀白の雪に覆われた大地を見下ろしていた。降り積もった雪の上を踏み固められて、石畳の道は完全に氷結している。
この道を馬車で往こうとするような者はそういない。
危険であるという事実以上に、氷の上で滑る、ということは凶兆として扱われているからだ。
行商人達はことさら縁起を担ぐし、今日び運送屋は陸路を選ばない。

それでもなお、敢えて進む者がいるとすれば、それは空路を選べず、急ぎの用事があり、尚且つ死を厭わぬ者だけであろう。
雛を駆り、氷の道を疾駆する少女は、まさにそれだった。
彼女の名はカドフェス。
旧友を救う為、単身悪漢の下へ赴かんとする銀の森の狩人である。
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