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DATE: CATEGORY:読書
古川日出男著  読了


犬の年代記。二十世紀後半に展開される大戦後と冷戦構造に利用された軍用犬たちを主軸とした物語。

珍しいことに二人称。地の文が犬よ、犬よと語りかける口調というか文体が印象的。
そのせいか筆致が力強く、牽引力がある。
なんだろうか。
犬を通して見た人間の物語のようにも思えるし、素直に犬を主役とした物語のようでもある。
ただ、この場合犬というのは特定の固体を示さない。
血統というより血脈、あるいは種族や世代の流れそのものが主役とでも言おうか。
この本の主役は、「犬」という概念そのものじゃないかと思う。
作中で犬たちは、軍用犬として扱われたりアラスカで橇を牽かされたり、品評会に出されたり、太平洋に乗り出したりするわけだが、一貫しているのは始終人間の都合によってその運命を変えさせられるということ。
そして犬たちは、人間の思惑に構わず超然と交尾しまくる。
そう、交尾して交尾して、繁殖するのである。
なんというか、やたらと発情していたような気がする。うん、そして増えまくっていた。戦場だろうと何処だろうと交尾しまくりである。凄いね、犬。
そうして増えた犬たちはあるものは呆気なく死に、あるものは強かに生き延びる。そうして犬の血脈は確実に繋がれていく。
この話はその繰り返しだ。
そして、多分この話の結末の後もそれは繰り返されていく。
その様が、何と言うか、やっぱり超然としている、と形容する事しか出来ない。適当な語彙が見つからず申し訳ないが、犬は人間に使役され、深く関わりながらも、根本的な所で超越的な何かを持っているのである。


とにかく面白かった。 パワーのある小説はいいですな。
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