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ゆらぎの神話の話。
神話の紹介。
こんな感じの話ですよ、という大まかな概要を説明します。
ちなみにこの神話はあくまで数ある神話の一部に過ぎず、これよりもずっと壮大で多彩な話が展開されていますし、参加した人自ら作り上げていく事が可能です。
というわけで、↓




古の昔、世界にはとても大きな河が流れていました。その果ては見えず、その源泉は誰も知りえないとまで言われた、とてもとても広大な河です。
さらにはその河は寒冷な北の地にあっても決して凍る事が無く、とても清らかな水でした。人々は年中その恩恵に授かる事が出来たのです。
世界随一と謳われた山脈から流れ落ちる河は、麓に住まう人々に恵みを与え、繁栄を約束していました。
ある時、山麓の村に住む一人の若者が難病の妻を助ける為に山へ赴きました。
彼の妻が罹っているのは不治の病です。最早助かる見込みは無いと村長でもある呪い師に告げられた若者は、しかしそれでも絶望せずに世界で最も高い山の頂上にいると言う神様に妻の病を治してくれるよう誓願しようと決意しました。
しかし山は切り立った崖や雪に覆われた大地がある為に何人も辿り着く事が出来ません。
村の皆も諦めろと声を高くして言いましたが、生来頑固な気質であった若者は耳を貸しません。彼は木々を切り倒し雪の上に図面を描き、小船を造り上げてしまいました。彼は歩いていくことが出来ないのなら、水路を使おうとしたのです。
幸い、山から流れる大河は決して凍らない神秘の河でした。
若者は早速小船で河に乗り出しましたが、河は山へ近付くにつれてどんどん急流になり、逆に押し返されてしまいます。
若者はどうすれば良いか必死に考えました。そうして遂に彼は素晴らしい名案を思いつきました。
彼は船首を返し、河の流れに従って元来た道を戻ってきました。
返って来た若者を見て、そら見たことか、やっぱり無理だった、というような顔をする村人達を一瞥もせずに、彼は村を通り過ぎます。
彼はそのまま流されていきました。山を越え、森を越え、平原を越え、沼地を越え、湖を越え、海を越え、そしてまた河を越えました。
そうして彼は長い長い旅を続け、遂に激流を下り落ちて行きました。
落ちたその先は、なんと目指していた山の頂上でした。
彼は随分前から世界がメビウスの輪のように捻転していることに気付いたので、世界を逆に回ってまず世界の裏側を通り、その後で表に出て山の頂上へ辿り着いたのでした。
しかし、万感の思いで辿り付いたものの、山の頂上には何もありませんでした。あるのは、大河が流れ落ちる水源だけです。
彼はあたり一体を探し回り、神の姿をどうやっても見ることが出来ないのだと知ると、その場に跪いて熱心に祈り始めました。彼は元来神を敬虔に信奉するような人ではありませんでしたが、妻の命がかかっている今はそんなことは関係ありません。
彼が祈りを捧げ始めて、七日七晩が経ちました。
彼は水すら口にせず、飢えを訴える身体を酷使して必死に祈りつづけました。
妻が病に苦しんでいる事を思えば、彼には自分を傷つけることなど些細な事だったのです。
そうして、更に七日七晩が経ち、そしてまた七日七晩経ち、月が完全に齢を入れ替えるまでその祈りは続きました。
そうして祈りつづけた彼は、ある時唐突に悟ってしまいました。
世界には神などいないのだということを。
山の頂上に神が居るなどという言い伝えは、人々が多大な恩恵を受けている河を神と見立て、その源泉たる頂上に幻想を抱いたという、ただそれだけのものに過ぎないのでした。
神格化された自然。けれどただの自然に意思などなく、彼の妻が助かる筈も無かったのです。
若者は絶望しました。衰弱した身体にはその事実は余りにも重大な衝撃を与え、彼はとうとう指一本動かせなくなりました。
彼は死に際に、目の前に病に倒れている筈の妻の姿を見ました。
その安らかそうな妻の顔を見て、彼はようやく悟りました。自分が死に逝くのと同様に、妻もまた死のうとしているのだと。
彼は、薄れる意識の中で必死で抵抗しました。
それだけはできない。妻を亡くす事だけは、決して許してはいけない。
若者の魂はいつしか自分の肉体を離れていましたが、それでも彼は妻を救う為に足掻きました。
彼は魂だけとなってもなお妻を救おうとしたのです。その切実な願いが通じたのか、果たして彼の魂は同じく肉体から離れた妻の魂を捕まえました。
二人は再会を喜びましたが、その魂は意思とは無関係に薄れていくばかりです。このままでは二人とも無に還ってしまう。それでは意味がありません。若者は妻をなんとしてでも助けたかったので、とりあえず手近なものを肉体の代わりにして乗り移る事に決めました。
そんなわけで、若者は大河に乗り移り、妻は男の乗ってきた小船に乗り移りました。
彼らの魂は河と船に融け込み、混ざり合いました。
悠久なる大河の流れと一体化した彼らは、自分達が神になっていることに気が付きました。
彼らの必死な想いは、彼らを人ならざる身にまでも昇華したのです。

神となり、永遠の命を得た彼らは、互いに新しい神としての名前を名乗りました。
若者はフォドニル、その妻はフレウテ。
彼らは山頂で愛を育み、沢山の子供等を河の中に産み落としました。
正義を重んじる女神フィリを始めとして、暖かい炎の神ギールニルなどの神々が増えていきました。
神々は自らが司る自然や思想を以って天地を治め、人を護りました。神々は大河を中心に次々と増え、人もまた同様に繁栄していきました。
その過程で悪しき心をもった神や、偶然生まれてしまった怪物たちが現れましたが、全て神々の活躍によって大地の奥底に追いやられました。
彼らの押し込められた地下牢の前には大地の女神であるエンリューテが番人として目を光らせていました。
いつしかフォドニルは最も強大な神として崇められ、人々が他の河と合流させたり、支流を作り出したりしたので、四つの相を持つ神になりました。
彼の妻のフレウテもまた、山さえも乗せてしまいそうな立派な大型船になっていました。
そんなある日、彼らの住まう山より遥か北、『北極』というそれはそれは寒い所から、100柱もの神々がやってきました。
彼らは氷の体と雪の皮膚、寒波の吐息と雲の瞳をもっていました。
フォドニルの七番目の息子である知恵の神スキーユニルは、やってきた彼らを氷柱の百神と呼びました。
氷柱の百神は瞬く間に大陸に足を踏み入れ、フォドニルに挨拶もせず彼の大地を凍らせ、自然を無秩序に破壊していきました。
不躾な来訪者の態度に憤慨したフォドニルは、数十からなる神々を遣わし、氷柱の百神の真意を探ろうとしました。
しかし、その結果彼を待っていたのは凍りつき、粉々に砕かれて見つかった子供たちの骸でした。
フォドニルは氷柱の百神と戦う事を決めました。
手始めに彼は自分の近くに文明を築いていた人間達を『刈り取りの軍勢』と名付けて自らの軍隊に仕立て上げました。
そして、彼は神々と刈り取りの軍勢を率いて氷柱の百神に戦いを挑みました。
戦いは長いこと続きました。
氷柱の百神はいくら倒しても次々と復活し、次第にフォドニル達も疲弊していきました。
大地は荒れ果て、死傷者は山となり、フォドニルの四つの相のうち二番目の相は血で真っ赤に染まりました。
その名残は今も残っており、北方山脈から流れ出るラの河は澄み切った清流であるにも関わらず真紅に染まっているのです。
結果としてフォドニル達は勝利しました。最後の決戦の際、フォドニルは彼らの魂の源が入っていた大氷柱をアディ・ナ・イディ火山に投げ込み、彼らを完全に滅ぼしたのです。勝利はしたものの、その被害は甚大なものでした。多くの神が死に絶え、大地は荒廃し、残った人間達も生きる気力を失っているようでした。
このままでは世界は緩やかに腐敗し、滅びるだけだと感じたフォドニルは、一度世界をやり直すことに決めました。
彼は一部の意欲ある神と、刈り取りの軍勢の中でも特に優秀な者を選んで、妻のフレウテに乗り込みました。
彼は河である自分を南下すると、南に暮らしていたある種族に北に来て自分の民にならないかという話を持ち掛けました。
その種族は『猫』というとても賢く優美な種族でした。彼らは猿という奴隷をつかって生活していましたが、今の生活に満足していたので寒い北に行く気にはなれませんでした。
しかし猫たちのチルマフである一番年老いた白猫は、奴隷の猿なら幾らでも余っているから好きなだけ持っていっていいとフォドニル言いました。
フォドニルはその言葉に甘えて、知能の低く力も弱い猿という奴隷を大量に北へ連れ帰りました。
始め、他の神々はフォドニルはもう昔の繁栄を取り戻す気がないのだと思いました。
彼らが南下している間に以前いた人々は死に絶え、文明の面影も見られません。
文明の担い手たる人がいないというのに、労働力でしかない奴隷だけ連れてきてどんな意味があるというのか、皆にはわかりませんでした。
フォドニルは猿たちを野に放ち、ギールニルに命じて火を与えました。
猿達は火を恐れ、バラバラになって行動していました。
しかしある時、一匹の猿が火を使って暖まることを憶えました。そうすると猿達は次々と火の用い方を学習していき、石を削った道具を作ったり、洞穴を掘って家にすることを実践していきました。
神々は驚きました。なんとそうやってどんどん賢くなっていった猿は、いつのまにか人間になっていたのです。
前にいた人間とは少し肌や瞳、神の色が異なりましたが、そんなことは神々にとっては些細な問題でした。
神々は再び現れた人間を大事に育て、確実に繁栄させていきました。
人々は大いなるフォドニルの付近に文明を作り、巨大な国を作り上げました。
そうして人間と神々は共に繁栄を続け、今もなお世界一高い山の頂上で神々は人間を見守っているという事です。

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