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DATE: CATEGORY:タンジツ
私は化け猫の復活を祝すパーティとやらに出席するため、かの猫長の脳内に訪れていた。
パーティは脳内で行われている仮想的なものだが、想像さえすればこちらも自分の脳内で同じくパーティを繰り広げられる。
言語を媒体にすれば祝杯をかわすことも可能だろう。

偶然だろうか、またしてもヒロインと出会ってしまった。
「おひさしぶりです」
私は失礼を承知で挨拶を返すこともせず彼女に批判を浴びせた。
一週間ぶりに出会う相手に久しぶりと言う挨拶は不適当であろうという内容を、より簡潔に表現して見たのだ。
「またあなたか」
表情の微妙なニュアンスから心底嫌そうな心情が垣間見えたのなら私のコミュニケーションスキルもいよいよもって高まってきたということなのであろうが、しかし彼女の鉄面皮は今日も今日とてアナトリア半島の原住民族が操るに至った超硬度を守り続けるのであった。にこりともしやがらないということであるのだが、しかしリアクションがないとわりかし悲しいというこの事実は私が彼女に対して嬉しはずかし思春期ドリームバルーンを膨らませているという証左であろうか。いや、そんなことがあろうはずもない。なにしろこれである。
「しかし盛況ですね。焼酎はどこですか」
「いきなり酒を探し出すその心意気は別に珍しいことでもないのだけれど、その甘菓子を仕舞ってからにしなさい」
女性の右腕にわしづかみにされたそれはうるち米の粉を湯で捏ねて蒸し、砂糖を加えて練った餅状の米菓である。
一般にすあまと呼ばれる。
素甘と表記される。
字義通り、甘い。
伝統的な焼酎は米酒であるため合うと思えば合うのかもしれないが、しかしいかにもミスマッチな取り合わせだ。
わたしの目の前の彼女はすあまが大の好物なのである。
ぱんだ好きと魔法少女好きが既に通った道であった。
二番煎じどころか三番煎じである。
個性の発露にしてはいやに弱い。
なにがしたいのだろう、といつも思っている。

彼女は自分のパーティ会場をひとしきり見回すと、おもむろに私の会場から一瓶の酒をつかんだ。あ、こらやめておきなさい。最初はビールあたりで慣らしておかないと悪酔いするから!

彼女は私の忠告などどこ吹く風、すあまを口の中に放ると、その上から瓶を逆さまにして一気飲みを始めるのだった。
ああもう、このトルコ娘は。
急性アルコール中毒で死ぬと思うのだが。


彼女はヒロインである。
自分の運命たるヒーローを待っているのだという。


宴もたけなわとなり、私は泥酔する彼女を放ってホテルに帰還した。
最近、料理をしていないことに気がついた。

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