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アルセスは他の命を奪うことができないという呪いをかけられている。
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Cu1-21フィスナは音を聴覚以外の感覚で感じ取ることができる。
共感覚と呼ばれるこれにより、彼女は鐘の音を聞いたとき薄めた砂糖のような薄い甘味と乾燥した肌のようなざらついた感触と鼻をつくミントの刺激臭、視界の端にちらつく白光を感じるのだという。

波長・振幅によってこの感覚は異なるが、彼女はその感覚を常態としているため、通常人とは異なる視点・視野をもって行動する。
そのため、彼女の立ち居振舞いは他者から見ると奇矯に見えることが多い。
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私は生涯で三度涙を流した。

一度目は両親を失った時。
二度目は親友を失った時。
三度目は恋人を失った時。

私は生涯で三度笑った。

一度目は両親の腕に抱かれた時。
二度目は親友と語らった時。
三度目は恋人を刺した時。

私は生涯で三度死んだ。

一度目は両親に首を折られた時。
二度目は親友に恋人を奪われた時。
三度目は親友に刺された時。


私は生涯で三度蘇った。

一度目は両親が自殺した時。
二度目は親友と恋人が愛し合った時。
三度目は親友が崖から飛び降りた時。


私は生涯でただ一度夢を見た。

暗い櫃の中で、羊水に浸かっている夢だ。
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そして嫉妬に狂ったイディスパータはキュトスを千々に引き裂いた。
主なるアルセスの妹、もう一振りの槍の紀性を持つイディスパータは、しかし禁忌と知りつつも兄を愛してしまったのだ。
絶望と憎悪に身を焦がせたアルセスは、妹を滅ぼし、禁忌なる神・厄闇神として存在そのものを闇の中に葬った。
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偽物師を名乗る女がいて、そいつは魔女だった。
偽物師というからには偽物を扱う生業をしているわけなのだが、この女、扱う偽物は髪飾りだけ、請ける仕事は月に一度と決めている怠け者、その上客を気に入らないと追い返してしまうという偏屈ものだった。
早い話贋作屋であり偽造屋であるのだが、その妙な気性とこだわり、そして見事な作品の出来栄えのおかげでその名前は一人歩き。看板出した五年後にはその界隈で知らぬもの無しとまで言われる大御所にまで上り詰めてしまった。
周囲からは「本物をそのまま増やす」とまで言われ、同業者からは畏怖の眼を、細工師達からは嫉妬を向けられた。
さりとてそんな視線を向けられても女の方は何処吹く風。
どんなに客が増えても仕事は月に一度きり、それも客が気に入らなければさっさと追い返し、丸一月仕事をせず、なんてこともざら。
どこまでもわが道を行く偽物師の女の下に、ある時二人の女連れがやってきた。
片方はすらりとした背の、目の覚めるような、とまでは行かないが中々の美人。
もう片方は、美人ではないが、小柄な身体と小作りな顔が愛嬌を醸し出す、大人しい娘。
さて似ない姉妹だなと偽物師は首を傾げたが、とりあえず用件を聞く。
背の高い女は宣った。自分の持っている髪飾りと同じ物を作って欲しい。
そう言って女は髪飾りを差し出す。
聞けば、これは世に二つとない貴重な物であるが、自分の妹分がどうしてもとせがむのでやりたくなった。
しかしこれは自分にとっても大事な物なので、是非もう一つ作って欲しい、ということだった。
偽物師は一も二も無く仕事を引き受けた。
こう見えても女、中々に人情家である。姉妹愛とはかくも美しいものなのか、云々。
偽物師は髪飾りを預かると、一月で仕上げる事を約束して姉妹(血は繋がっていないらしいが)を帰した。
さて、一月と言うのは仕事にかける時間である。この女、仕事は丁寧極まるがその分恐ろしく仕上げが遅い。日数をかけて丹念に作業をこなすゆえであるが、そのおかげで一月に一度と言うペースでしか仕事を請けられないのである。
そんな女であるから、二つとない貴重な髪飾りとなればさて今回は大変そうだぞと意気込みにも力が入ろうというものである。
だがしかし。 その髪飾りをようく見て、偽物師は頭を抱えた。なんだこれはと掲げ持ち、光に透かして見、ひっくり返して見、指先でこつこつと叩いて、なんだこれはと再び呟く。
今まで数多の細工物を見てきたが、こんな材質の物は見たことが無かった。
細工は簡単、細長い菱形に横二本の刻みが入っているだけである。
色は燃え上がる焔のような赤、硬さは鉄のよう、それでいて羽のように軽い。
これは一体何で出来ているのだろう、しまったきちんと聞いておけば良かった、と後悔するも後の祭り。引き受けてしまった手前わざわざ聞きに追いかけるのも格好がつかない、よしこうなれば自力で材料を調達にいこうとまずは慣れない書物を紐解く。
家の蔵に大量に詰まれた蔵書は祖父の残したもの。祖父は自分に細工を教えてくれた師であり、贋作の真髄を叩き込んでくれた恩人だった。
そんな祖父は大分前に亡くなっていたが、祖父の遺した書物には幾多の細工、そして鉱石や樹木、鱗などの材料とその特徴がずらりと列挙されていたのである。
さてこの奇妙な髪飾りはいったい何を細工したものなのやらと書物をめくり捲りしていると、眼に留まるのは一つの記述。
やたらと簡素に特徴が記されたそれは、間違い無く手の中の髪飾りと同じ物だった。
材料の名は、竜の鱗。
冗談かと思った女だが祖父は冗談が蝿と蛆虫より嫌いで、そしてそれは蛇蠍より虫が嫌いという祖父にとっては何よりキライなものであったので冗談ということは絶対にないのであった。
ならばこれは真実であるということ、つまり自分は竜の鱗をとってくるべきなのかと思いちょっとまてと思い直す。
さて竜に鱗などあっただろうか。
否、無い。竜とは巨大なる昆虫の王者。故に爬虫類や魚類が持つ鱗などついている筈も無く、無理矢理毟り取るとするならばその硬い羽の上の甲殻であろうか。
しかしそんな真似をしようものならばたちまち殺されてしまうのが落ちであろうと結論を下す。下したが、それではどうやって仕事を完遂したものだろう、と悩みに悩む。
結局できませんでした、と頭を下げるのも癪だし偽物師の沽券に関わる。
このままでは信用を失ってしまう、偽物師人生の危機である。
さてそこで閃いた偽物師、ここは材料を偽物で作ってしまえとの発想。
そもそも偽物師、贋作師となれば、名工、名技師の作をそのまま再現する者と、劣った技や材料でそれらしく見せる者がある。
女は両方やる。材料が無いならば、質が似た材料で偽者を作るだけである。
早速女は竜の鱗の髪飾り(らしい)に似た材料を探し出し、それらしい物を選んで何日もかけて偽物を作り上げていく。
そうして一月、受け渡しの当日。
やってきた二人の女は、
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